帰国.JP /ただいま日本2022
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現在の大学受験状況を考える上で、重要度が増してきた入試制度に推薦入試があります。昨今私立大学に入学する受験生の約50%が総合型選抜入試・学校推薦型入試などの推薦系入試経由であると言われ、年々この制度を導入する大学は上昇の一途をたどっています。この制度は帰国生・中途帰国生にとっても従来の帰国生入試とは別に海外で得た英語力を活用した入学ルートとして大きなウエートを占める入試方法となっています。特に海外経験のある帰国生が国際系大学(上智大学・早稲田大学国際教養学部・国際基督教大学・国際教養大学他)の総合型選抜入試を受験する際、TOEFLやIELTSなどの英語資格が必須、または重要な資格として利用できるため、海外で得た英語力を武器に希望の大学進学への可能性が広がります。また国際系大学以外でも、ハイレベルの英語資格はこうした推薦入試合格を非常に優位にします。また、海外からの中途帰国生の場合、帰国生入試を利用できず、一般の受験生同様の入試(3科目・共通テスト利用他)を余儀なくされる点を考慮すると、推薦入試は有効な受験方法といえます。総合型選抜入試は「個性」「意欲」「姿勢」「適性」を重視!学校推薦型選抜入試が学力や活動面を重視するのに対し、総合型選抜入試は大学への「個性」「意欲」「姿勢」「適性」が大きなポイントとなります。したがって、選抜方法は書類審査と面接を通じて、生徒個人を多角的に審査していきます。その他大学によっては、大学の模擬講義を受け、その後その講義に関するレポートを作成させたり、 口頭試問で討議能力を審査したりと、多種多様な方法で選抜を行っていきます。まさに「大学生としての適性」が試される試験といえるのです。出願に関しては、あくまで学力試験では測れない生徒の個性や適性を重視するということで、逆にだれでも出願が出来るということになりますが、勿論、簡単に合格はできません。一般的に公募推薦に比べ倍率が高めになることも多く、だからこそしっかりとした対策が必要になるということが言えます。慶應大SFCや法学部、早稲田大の国際教養学部や政治経済学部、国際基督教大学など多くの私立大、横浜市立大学などの国公立大で実施しています。主なポイントは、①人間力=面接や志望理由書、小論文試験などであなたの人間力が判断されます。②資格=英語力(TOEFLTESTや英検など)が高いほど有利になるケースが多々あります。③学校の成績=学校の成績は合否判定に重要な判断材料のうちのひとつです。指定校制と性格は良く似ていて、 「学校長の推薦を得る」ことが基本的な出願条件です。もちろん、全ての大学ではありませんが、大半の大学はこの条件の下、生徒募集を行います。多くは出願に必要となる数種類の書類を作成し提出、その後小論文試験や面接などを経て合否が決まるというのが一般的です。国公立大では共通テストを課す大学とそうでない大学とに分かれます。これにより出願日が大きく異なってきますので注意が必要です。指定校と違い、出願することでほぼ合格するということはなく、倍率も大学によって様々です。比較的出願しやすい条件の大学が多いですが、ライバルもいるわけですから、万が一不合格だった場合の事を考えて、一般入試&他大学の総合型選抜入試の対策もおろそかにできません。ここが公募制推薦を受験するにあたってのポイントです。主に学業成績である評定平均が出願条件となる大学が多く、この条件をクリアしていないと出願自体できません。しかし、全ての大学が基準を高くしているわけではなく、3・5程度で出願できるところから、高いところで4・0以上など、評定平均の幅は様々です。その他、スポーツやクラブ活動、文化活動、課外活動や保有資格などの実績を評価し選抜する入試方法もあります。高校生全員が保有できるものではないことから、倍率も高くないことが多々あります。冒頭で述べたとおり、基本的には「学校長の推薦を得る」ことが条件となります。ほぼ指定校制推薦と同じでその高校の代表者であり、結果、専願のみの募集というのが大半です。指定校制推薦と同じく入学辞退はタブーとされる、ということです。主な条件・評価は以下のとおりです。①学校の成績=評定平均4・0以上などが受験資格となっています。②人間力=面接や志望理由書、小論文などであなたの人間力が判断されます。③資格=多くの場合、TOEFLiBTTESTで61点以上または英検2級、TOEIC650点など英語資格が最低条件となっています。※多くの大学が上記①③を絶対条件にしています。上智大国際教養学部はTOEFLTESTで83(iBT)点、評定平均4・0以上などの絶対条件を設けています。推薦入試では、出願に際し、色々な書類の提出を義務付けられます。書類審査という選考を設けている大学も多いこともあり、この出願する書類の作成自体が、合否に大きく影響すると言っても過言ではありません。ここでは、いくつかの代表的な提出書類を紹介していきます。Ⅰ.志望理由書公募制入試や総合型選抜入試で必ず必要となる書類です。その名の通り、志望した理由を論じていくというものです。情報提供・トフルゼミナール帰国生/海外就学経験者に有利な大学/総合型選抜入試■慶應義塾大学*総合政策学部・環境情報学部 昨年まで実施されていた2次選考を廃止し、1次選考(書類選考)のみで合否を判断。 https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/news/files/2022/2/1/kikoku_20220201.pdf■国際基督教大学*ICU 帰国生入試の変更点:小論文+グループディスカッション⇒書類選考+オンライン個人面接に変更。 https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/exam/returnees/                1 総合型選抜入試News2 総合型選抜入試の合格まで1 総合型選抜入試制度について2 公募制推薦入試48ここも注目!

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