帰国.JP /ただいま日本2024夏号
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終わりにも安心感があるものの、駐在員として現地スタッフとの意思疎通を考えるとやはり語学の大切さを痛感したようです。ご家族は西様の単身赴任中は上海で生活されました。奥様が中国語にご堪能であるからこそ、中国での単身生活が成り立ったのでしょう。二人のお嬢様は4歳、2歳で上海へ。上海では幼稚園に通園されており、上のお嬢様はインターナショナルスクール入学を予定していましたが、コロナ禍により入学前に帰国することとなり、奥様のご実家がある九州の小学校に入学されました。コロナ禍が少しずつ落ち着き、上海へ再渡航された際にはお二人ともに上海日本人学校に通われました。今回の日本への本帰国に際して、「もっと上海で過ごしたい」と残念がっていたそうですが、宇都宮の地元の学校にもすぐに慣れ、楽しんでいるようですと、西様は安心されたご様子で話します。宇都宮は西様もご家族様も知らない土地でしたから、宇都宮勤務経験のある先輩にアドバイスをもらって参考にされたそうです。お住まいについては会社から紹介された不動産会社が提案した中から3軒ほどに絞り込み、帰国後に内覧の上、決定されたそうです。なじみのない地域ということもあり、移動が便利で車を使わなくとも買い物ができるよう、駅の近くを選ばれたとのことです。上海での生活では不便を感じたことはないそうです。上海は商業施設がそろっているほか、インターネットで物品を簡単に購入することもできますし、移動の際にもタクシーは日本より安く、各支払いは電子マネーで決済可能。現金を使う機会はあまりありません。現金を持ち歩くという習慣がなかった為、現在の勤務先で西様はうっかり財布を忘れて昼食に出かけてしまうこともあるようです。携帯電話も赴任前に解約。帰国後に最初に手配されたのが携帯電話とのことでした。日本もIT化は進んでいるが、便利さでは中国の方がリードしていると感じることもあるようです。本帰国前に、「そろそろ帰国の時期が迫っている」タイミングだと予測し、中国元の預金を日本に送金。中国からの外貨送金の規制があると聞いていたため、早めに何回かに分けて送金をされたとのことです。手配などの方法については「現地のスタッフによく確認をした方が良い」とアドバイスしてくれました。西様は、南京、合肥にも単身でのお住まいがあったため、それぞれの個人所有の家財の処分も必要でした。個人で購入した小型家電、家財ではありますが持ち帰ることができなかったので、処分は現地スタッフに手伝ってもらったそうです。上海より帰国をされてまだ半年足らず。お嬢様方は学校にもなじんでいるようなご様子で奥様はご自身の語学力を生かした活動を計画中。地域の中華系の方々への日本語教室といったボランティア活動などで、中国での留学、赴任の経験を生かしていきたいとのことです。また2年後に中学校入学を控えた上のお嬢様は、帰国後3年以内の帰国子女枠が設定された中学受験も検討、海外で教育を受けたメリットを生かすことも考えていると話されていました。そのため「教育に関する情報を集めていくこと、進学する学校に合わせたエリアへの転居なども考えていく必要がありますね」と今後のことを教えてくれました。今回の海外赴任では、中国の経済発展を目の当たりにして貴重な経験を得たと話す西様。お一人で担っていた南京と合肥の拠点の業務は新たに二人の各拠点の後任者に引継がれたとのこと。西様がそれぞれの拠点でのビジネスを拡大されたため、人員補強となったのでしょう。奥様は今回の西様の中国勤務にも喜んで帯同され、今後も中国勤務があれば是非一緒に行きたいと希望。西様ご自身も、今後も中国、中華圏への赴任の話は歓迎とのことです。その機会が訪れるまで、中国語にさらに磨きをかけ、充実した日々を送られることでしょう。213

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