帰国.JP /ただいま日本2024夏号
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1322024年3月の北陸新幹線延伸により、首都圏や関西圏からの陸のアクセスがグッとよくなった福井県。県の中央に位置する越前市は、古代より北陸地方の中心地として栄えてきました。市内には9世紀末の創建と伝えられる大塩八幡宮をはじめとした趣のある神社・仏閣が点在し、美しい自然の中の歴史散歩が楽しめます。今年は紫式部の生涯を描いたNHK大河ドラマ「光る君へ」が放映されていることもあって、紫式部にちなんだ観光名所が注目を集めています。平安時代、京都で生まれ育った紫式部は、父の藤原為時とともにこの地に移り住み、結婚前の一年あまりを過ごし、『源氏物語』の執筆に大きな影響を与えたと言われています。「紫ゆかりの館」は、紫式部の足跡を辿る資料館で、再現された紫式部の部屋の展示や絵巻物風のアニメーション映像の上映などを行っています。隣接する「紫式部公園」では、十二単を纏った紫式部像、美しい池に架かる朱塗りの橋、寝殿造の釣殿などが設えられ、平安絵巻の世界にタイムスリップしたかのような気分が味わえます。紫式部像の視線の先に見える日野山は、その姿の美しさから越前富士とも呼ばれており、天気がよい日は池に映り込んで、幻想的な景色を楽しむことができます。若き日の紫式部が暮らした越前市で歴史散歩を楽しむ 「紫ゆかりの館」(紫式部と国府資料館)○ 住 福井県越前市東千福町21-12○ 電 0778-43-5013○ 営 9時~17時○ 休 月曜日(月祝日・振替休日の際は翌平日)、年末年始○ 入 無料○ H https://www.murasakiyukari.com/源氏物語を描くまでの紫式部の心模様を几帳風グラフィックや絵巻物風映像でたどる資料館「紫ゆかりの館」。1 越前富士と呼ばれる日野山と武生盆地。日本の原風景のような景色が楽しめる。2 3 精密な時代考証のもとに寝殿造庭園が設けられた紫式部公園(福井県越前市東千福町369)08福井県越前市&勝山市

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