帰国.JP /ただいま日本2025
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」“”帰任の内示が出たら、さまざまな手続きを終え、準備を整えなければなりません。中村様によると、「その中でも引越しの準備が一番大変です。海外で生活していると、いつの間にか荷物が増えてしまうのは、どのご家庭も同じでしょう。現地や旅行先で購入した思い出の品、家具、食器類、衣類、遊具などがありますが、日本の住宅事情を考慮して荷物をまとめなければなりません」。中村様ご家族が実践したのは、「売る、譲る、捨てる、この3つの〝る〟でした。「米国の日本人コミュニティー向けのいろいろな媒体を利用して売ったり譲ったりすることで、荷物の量を減らすことができました。キャンプが好きな家族なので、アウトドア用品だけは持ち帰ろうと決めていました。特に私がこだわって購入した大型の燻製器は愛着もあったのですが、日本の家では室内に置く場所を確保できず、軒下で保管しています。思い切って現地で処分してもよかったかもしれない、とも感じています」海外赴任される方に向けて、中村様から次のような言葉をいただきました。「初めて海外に赴任する方は、帰国のことまでは考える余裕がないでしょう。私自身が帰国してあらためて思うのは、いずれ帰国して日本での生活を再開させるのですから、そのときにどんな生活を送るのか、赴任中もイメージしておくことが大切です」。また、子供の教育環境については「帰国後に日本の学校で学ばせ、日本での生活が将来に渡って主となる考えであれば、すんなりと溶け込めるように、国語(母国語)の勉強にも力を入れておくといいと思います」家具や荷物などは、日本の収納スペースも想定して整理することがポイントです。「現地のものを全て持ち帰ると、たいていはオーバーフローしてしまいます」と中村様はいいます。そして、心地よい暮らしを続けていくには、地域とのつながりが欠かせません。「私の場合は自宅をそのままにしておき、帰国後もすぐに住めるように備えていました。地域の方々がお帰りなさいと温かく迎えて下さったことが、家族にとってなによりもありがたかったです」。中村様の米国での駐在は、コロナウイルスパンデミックなどさまざまな出来事が起こったり、突然の帰国となったり、慌ただしいものだったようです。その中でも、常に「帰国後の暮らし」のイメージを持ち続けられたからこそ、日本での新たな生活を早期に確立し、家族のより良い将来に向けた一歩を踏み出せたのだと思います。3つの〝る〟が荷造りのポイントこれから帰国される方へのアドバイス終わりに13

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